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完全マイウェイ!

おもろが過ぎるよジャニーズ集団。

週末アレが怖すぎて慰めに書いた夢小説を晒して供養する。

最近の世界情勢とかもろもろ色々考えて考えて考え過ぎてしまう傾向にある私、すぐ影響受けたりして豆腐メンタルってやつなので、ショッキングなものを見るとずるずると引きずる傾向にあるんです。で、ちょっと自分を少しでも楽しい気持ちにするために、頑張って妄想したメモがあったのでここに共有しておきます。こんなに潔い妄想あるかよって感じですが、本人は絶対あり得ないし(笑)と思いながら、必死に元気になろうと頭に蔓延るネガティブを振り払う為に書いたであろうメモなので、どうか現実的過ぎるツッコミはお控えください(笑)恥ずかしい独白方式です!それでは参ります!




☆もしセクゾさんと高校の同級生だったら……
佐藤勝利くんの場合
佐藤勝利くんのことを学内中の女子に聞くと、「生きているだけでファンサ」くらいの信仰心の強さを感じると思う(学内外でファンがいるのも怖い)。だって他のクラスのカースト上位から下位女子達の幅広い層すべてに、彼の話が出るくらいだもん。私はそういうのよくわかんないから、見たり聞いたりするくらいだけど。顔は綺麗かもしれないけどさ。私が学内で学年問わず話のネタにされてるのはご存知よね、デブだしブスだしどんくさいから仕方ないとは思うけど、野球部のやつらはマジで酷い。この間たまたま野球部の子たちとつるんでる佐藤くんを見た、野球部のやつらは私を見つけるなり「デブ」だの「ブス」だのとうるさいことこの上なかったんだけど、佐藤くんも一緒に笑ってるの見て、彼も普通の高校生なんだな~って思った。ウケるよね、私もほかの女子と同じくらい彼に期待を抱いていたことに気付いて、ちょっとショックだったの。

あの後、同じクラスになって色んな行事を介して、今まで以上に彼を見ることになった。顔が綺麗なだけで中身は普通の高校生な佐藤くんの周りには常に色んな人がいて、毎日ツライことなんてなさそうだった。あっ、そういえば文化祭前の体育の授業中にね、足を派手に捻挫しちゃって、めちゃくちゃ恥ずかしい姿で保健室に運ばれたんだけど、私の唯一の友人ユミちゃんに紛れて保健委員だった佐藤くんも私を介抱してくれた。私あんまりに痛くて恥ずかしくて、ずっとタオルで顔を隠してたんだけど、あの後保健室に行ったら先生がいなくて気まずかったなぁ。ユミちゃんは途中で先生探しに行っちゃったから、佐藤くんは私のかわりに保健室訪問カードを書いてくれてた。

「漢字これであってる?」
「…うん」

合ってないのに、なんで「うん」なんて言ったのか覚えてないよね。あの時マジで消えたかったし、文化祭どうしようとか部活どうしようとかぐるぐるしてたし、足痛いし治療費めちゃくちゃかかったらお母さん怒るだろうなとか、佐藤くんの耳変な形だなぁとか考えてたから。

・・・

文化祭の日、音響係だった私は一日慣れない松葉杖との格闘でしんどかった。人生初めての松葉杖だったし、あの後家に帰ったらお母さんにめちゃくちゃ怒られたことも、さっき野球部のやつらに松葉杖を一本奪われて取り返すのに難儀しちゃったのも尾を引いてて、体育館の音響ルームまでの階段が果てしなく遠い階段に見えて、疲れて座り込んで、人生最悪の日かも~って項垂れてたら、変な幻聴まで聞こえてきたよね…。

「あれ?どうしたの?」

さっきまで舞台で稽古してた佐藤くんだった。珍しく道いっぱいに広がる連れの人達はいなくて、佐藤くんひとりだ。

「いや…佐藤くんこそどうしたの?」
「ちょっと演劇の内容に変更点できたから、音響の人にも伝えなきゃだめだなと思って。」
「あ、私、音響だから伝えとくよ。」
「あれ、そうなんだ?じゃあ上まで一緒に行くよ。疲れちゃったんでしょ?」
「え?!いや、いい!いいです!口頭で言ってくれれば伝えるし!」
「大丈夫だよ、松葉杖とったりしないから」
「え?」
「あ、いやなんでもないけど」

結局私が降参して、上まで連れてってもらった。肩を貸してもらってる間に佐藤くんが「なんだ意外とちゃんと女の子なんだね」って言ってきたので、私は佐藤くんが嫌いだなって思った。

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中島健人くんの場合
図書室の一番隅っこの席って好きなんだよね。お弁当食べててもバレないし、携帯で音楽聞きながら寝ててもバレないし、野球部のやつらに見つかって嫌な思いをすることもないし、写真部の部活の作業をしててもバレないし、部の投書箱にいたずらで投函される奇妙な投書をノートに貼って毎日の励みにしていることもバレないし、そのノートを本棚に隠してるのもバレないし。学内の図書室は私みたいに教室や学内に真に居場所がない者の憩いの場みたいなとこ。たまにカースト上位者たちが来て最悪なこともあるけど、ほぼ安心できる場所を提供してくれてるの。

中島くんは同じクラスになる前から顔見知りだった。図書室の一番明るい場所で、勉強したり心理学の本を読む姿を見たことがあったから。彼が私を知っているかどうかなんて知らないけど。彼はチャラそうだけどひとりに慣れてるみたいで、男女分け隔てなく人気がある。博識で気が利くし、優等生な一面もある大人っぽい子。同級生の男子のような無邪気さもちゃんとあるけど、その中に誰かを傷つける言動に対しては非常に気を遣っているところがあるみたい。同じクラスになってちょっと経った頃かな、図書室で中島くんとばったり会ったの。今まで喋ったこともなかったのに、急に

「あ、同じクラスになったね。」

って話かけてきてびっくりした。私のこと認識してたのかよ!って思って。いや、まあ触らぬ神に祟りなし~的な感じだったのかな~とは思ったよ。私の学内での立場はほんとクソofクソを地でいく感じだからさ。それから何となく教室では必要があれば喋るくらいになって、図書室では会えば挨拶するくらいにはなった。私もこの時こういうことになるとは思ってなかったし、友人のユミちゃん以外と話すことなんてまずなかったから、すごく嬉しかったのを覚えている。そういえばいつだったか放課後にユミちゃんと図書室でだべってた時があって、中島くんが自然に輪の中に入ってきたことがあった。

「俺、ユミちゃん達と話してみたかったんだよねー!」
「えーなんで?私ら学校じゃ一番地味だよね(笑)帰宅部と写真部(笑)」
「そうかな?俺、学校の全員と話してみたいんだよね。やっぱ人ってそれぞれ価値観があんじゃん?それって超おもしろくね?」
「えっ何急に(笑)」
「あれ?引いた?(笑)」

ユミちゃんは今までにないほど楽しそうだったし、帰りの電車の中でずっと「私絶対今度の委員会誌の投票コーナー中島くんに入れるわ!」って言ってて本当に面白かった。ユミちゃんが楽しそうだったから、私も楽しかった。その後日もユミちゃんと私と中島くんの放課後の秘密の女子会は頻繁にあったんだけど、私が6月から写真部の部活が忙しくなっちゃって、それ以降女子会も自然消滅して教室以外で会うことは少なくなっていった。写真部の部活内展示と夏のコンクールが終わったくらいに、久しぶりに図書室に行ったら相変わらず同じ場所に中島くんがいた。私は写真の整理の為に、一番隅っこの席に座ったんだけど、何故か中島くんもこっちに来て久しぶりって感じにへにゃ~って笑いかけてきた。

「なに(笑)」
「え?別に?」
「かわいいかよ」
「知ってるぅ~、あっそういえばコンクールの写真見たよ」
「ああ、賞にひっかからなかったやつね(笑)」
「自信持てって。俺めっちゃ好きだったよ、三番目の写真。」
「え!あれめっちゃ力作!うれしい!」

中島くんはわざわざ写真部の部室(校内の一番外れのとこ)まで来て、コンクールの結果を見てくれたみたいだった。私の出した写真についてあれがいいこれがいいってめちゃくちゃ褒めてくれた。

「俺さ、実は同じクラスになる前も、写真部の写真は見てたんだよね。」
「そうなの?全然知らなかった。」
「投書にめちゃくちゃ感想いれたことある(笑)」
「マジで?!いたずらだと思ってた(笑)」
「俺なんでお前が野球部に絡まれてんだろうなって思ってたんだよ。」
「…あ~」
「喋るキッカケほしくて、でもなかなか言えなくて。なんで絡まれてんのって。」
「心配してたの?(笑)」
「んー…わかんない(笑)」

「わかんないけど、お前が悪くないことは確かだったから」って言った後、私は何も言葉がでてこなくって、ふいにあの奇妙な投書まみれのノートを思い出して、「ねえその本棚の一番上探ってみてよ」って言ってみた。

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菊池風磨くんの場合
体育のマラソンがだるすぎてサボりたすぎて、途中でコースアウトしてサボりにきた。足痛いし走ってるとめちゃくちゃ豚って野球部のやつらが言うし…。うちの学校の周りはほぼ工業地帯なので、ちょっと歩けば廃業した会社の敷地が手付かずのままになっていたりするんだけど、大体マラソンの時やだるーい時はそこでサボる、自分的にはいつものとこって感じ。一年の時からずっと繰り返してたけど、幸い誰にも見つかることなくサボれてた2年間。3年になってから急に菊池くんもここでサボるようになった。なんでや。菊池くんは不良の一匹狼で有名で、学校にも来たり来なかったりしている。影で煙草吸ってたり悪い大人とつるんでるなんて噂もあるくらいで、正直怖い印象しかないのであまり関わりたくないんだけど、運が悪い私…。

「間抜けな顔。」

とだけ呟いた菊池くんに何も返せず、廃材の上に座って携帯をいじった。最近捻挫が治ったばっかなのに、病院の先生もお母さんも捻挫は早く動かした方がいいとか言って、まだ本調子じゃないのに体育の授業を受けるハメになった。ふざけんなよマジ。あれ絶対家に彼氏連れ込みたいだけだと思います。うん、ぜったいそう。ほんとレポートがよかったのにと思いつつ、秋になっても日差しが強いなぁとうんざりしていた。

「おまえさぁ」
「え」
「足平気なの?」
「はぁ」
「文化祭の時、捻挫してたじゃん。」

えーーーーなんで知ってんのマジこわいマジ無理こわいちびりそうと思いながら、「ホンチョウシジャナイデス。」と片言すぎる返答した私にニカッと笑って「めっちゃ片言(笑)」とだけ告げて、サーッとマラソンのコースへと消えていった。なんだったの…。その後体育の授業は無事にサボれたので、放課後に生徒指導室へ呼び出されることになった(あれれー)んだけど、どうやら菊池くんも呼び出されたみたいで生徒指導室の前でだるそうに座り込んで携帯を見つめていた。私が隣に座り込むと、横目に見て再び携帯に目を落とした。秋の廊下は冷たい。スカートの下にジャージ着たいくらい冷たい、調子に乗って床に座るんじゃなかったと思って立ち上がったら、菊池くんがまたバックレんの?と言いそうな目でこっちを見てきた。

「バックレるんだったら俺も行くけど。」
「え。」

・・・

いや、意味わからないと思うんですけど、今ファミレスで菊池くんとパフェ食ってます。いや、ほんとあの意味わからないよね。さっきの会話のあと何があったのって感じだよね!私も分からない!あのままさーっと歩き出した菊池くんにそのまま着いて行ったら、何故か原チャリの後部に乗せられて、どこ行く?って聞かれて、テンパってファミレスつったらマジでファミレスについた。意味わかんないよ!私どうなっちゃうの!とりあえずチョコバナナパフェ頼んだ。この何も話さず黙々とパフェ食う図意味わからないので、帰りたいけどそんなこと言える空気でもないから、もう困った。なにしてんだろうか私。

「俺20時からバイトあっから、それまで暇なんだけど。」
「え、はい。」
「いや、はいじゃなくて。」
「…」
「ゲーセンでも行く?」
「行きたいなら…」

信じられる?校内一のやばそうな生徒菊池さんとファミレスでパフェ食った後(菊池さんが払ってたよやばい)、ゲーセンにきました。なんかもう拒否できる気がしない。ゲーセンに来たのはいいけど、めちゃくちゃ黙々と菊池さんがバスケのゲームとかサンドバック殴るやつで遊んでるけど、私見てるだけだよね。どうしよう。消えればいいかな?って思ってたら、ホラー系のやつに入れられました。えーーーーむりーーーー!

「怖いのイケる方?」
「いや無理です」
「あ、イケるんだオッケー」

いや、オッケーじゃねえわ。でもあほみたいに叫んで楽しくなったので、元気に19時まで遊びました。どうかしてるね。私の自宅まで送ってくれたんだけど、まだ時間あるからってコンビニでおにぎり買って公園で食べています。なんかこの短時間ですごい未知の体験ばかりしている…。

「俺さ、バイトしてんだけど、家に誰もいないのね。」
「はぁ」
「でさ、おまえ家がアレなんでしょ?」
「アレ?」
「あ~~~……家帰りたくねーなーって時、電話して。はい。」
「えっ」

後から知ったんですけど、菊池さんと私の自宅は目と鼻の先で、色々なことが全部筒抜けだったそうです(死んだ)。噂になってた悪い人達とつるんでるっていうのも、そういう子たちをお家に呼んでるだけだったみたい。何も言わないから、めちゃくちゃ怖かったけど、ただの優しい人でした。

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松島聡くんの場合
聡ちゃんと私の話をすると長いので、掻い摘んで言うと腐れ縁というやつだ。聡ちゃんとは幼稚園の頃から高校までずっと一緒で、小学校の時は一緒に帰ったり遊んだりするくらい仲がよかった。関係が変わり始めたのは、中学2年くらいの頃だっただろうか…。もうあんまり覚えてないや。高校での聡ちゃんは中の下くらいのカースト位置で昔よりも人懐っこくて話しかけやすいオーラを得ている。幼稚園や小学校の時なんかずっと暗くて大人しかったのに、一体私と聡ちゃんはいつからこんなに変わってしまったんだろう。私の知ってる聡ちゃんはいっつも私の袖を引っ張って歩く甘えん坊の聡ちゃんだったのに。今の聡ちゃんは聡ちゃんだけど聡ちゃんでない何かで、居心地が悪い。最近の聡ちゃんは常に私に対して怒っていて、それに対して私は無関心を決め込んでいる。同じクラスになってもそれは変わらないし、私のやることなすことケチをつけてくる。何がそんなに気にくわないのか知らないけど、ほっとけってんだい!

「今日の髪型似合ってないよ、座敷童子みたい」
「あーはいはい」

別に聡ちゃんみたいにセットしてないし、暑いから雑に結んだだけだし。という言葉を飲み込んで席に座る。朝ってなんでこんなに眠いんだろう、今日は3限目に体育の水泳があるからやだな。わざわざプールのない学校を選んだのに、今年から近くの廃れかかった区民プール借りてんだってさ。バカじゃないの。あーーーやだな。

そういえば中1の時、スイミングキャップを毎回忘れちゃう聡ちゃんがよく私のクラスまで借りに来てたなぁ。私は聡ちゃんのクラスの時間割を把握して、それまでにスイミングキャップが乾くように教室のベランダに干したりしていた。お母さんにはシラミの移しあいしちゃったらどうするの?!って怒られたけど、中学になってクラスが離れてから、聡ちゃんと接するのはそういったやり取りしかなくて、少し寂しくて私はその忠告を無視してたんだよね。で、案の定そうなっちゃったんだけど。それを知った同級生たちは私に矛先を向けてきて、徹底的にいじめ抜いたんだよね~。あったあった、そんなこともあったなぁ~。あれからちょっとギクシャクしちゃったんだよな~なんて思いながら、1限目の教科書を取り出した。

・・・

今日めずらしく屋外プールだったんだけど、プールにアメンボがいて懐かしかった。アメンボみるとなんか懐かしいって思うのなんなんだろう、体育終わりの心地よい疲労感の最中だからかな。4限目の現代文の授業が子守唄みたいだな~って思ってたら、後ろの席の聡ちゃんが紙屑を投げてきた。なんなのと目で訴えかけると、開けてと言わんばかりの表情で私を見てきた。昔から聡ちゃんは前髪長いくせに表情がうるさい。

"今日だがちゃん開けるんだって、いかない?"

"だがちゃん"とは、私達が小学校の頃よく通っていた駄菓子屋さんのことだ。あそこは八十を過ぎたおばあちゃんが切り盛りしていた小さな商店だったので、開いてたり開いてなかったりめちゃくちゃ気まぐれな店で有名だった。とりあえず"えー"ってだけ書いて渡した。そのあともなんか色々投げてきたけど、寝ちゃったので覚えてないです。

・・・

だがちゃんに行ったら、既に聡ちゃんがベンチでガリガリくん食べてた。来てあげたのに何の一言もないんかい!と思いつつ、代変わりして切り盛りしてるあさこおばちゃんに挨拶して、ねりあめとかのお菓子を買ってベンチに座った。

「またねりあめ食べてんの」
「なに、わるい?」
「虫歯になりそう」
「あんたは食べてないからいいじゃん」
「そうだけど」
「"そう"だけど?」
「も~~~それやめてっていってんじゃん!!」
「自覚なしに親父ギャグ言うからでしょ~」

ここにくるといつもこういうやり取りばかりして、ちょっと昔に戻った気持ちになるのが好きだったりする。でもちょっと悲しかったりもする。聡ちゃんは人に好かれるようになって、多分自分のことを好きになれたんだと思う。目に見えて分かる気がする、私は全く逆の方向に歩いちゃって、聡ちゃんもこっちだったはずなのにって思ってるんだって、思い知らされるんだ。でも聡ちゃんは私のそういうところが気に食わないって思いながらも、私にたまに優しくしてくるんだ。それがどういう意味なのかもわかってないんだと思うし、何も言わないけど。

「聡ちゃん変わってんのか変わってないのかわかんないや。」
「あ、なにそれ。」
「なんでもなーい。」

なによちょっとマセてイヤーカフなんかつけちゃって、なにそれって言いながら私の機嫌を伺ってみたりなんかして、ずるいよ。

「俺は変わってないよ~少なくともここに来た時は本来の自分って感じがする」
「…なにそれ」
「んふふふ。」
「キモイ笑い方」
「ちょっとー!」

急に大人になりやがってコンニャロー。

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マリウス葉くんの場合
うちの学校には天使がいる。滅多に学校に現れず、現れたと思ったら裏庭で昼寝をしているような、マイペースな子だ。うちの学校の裏庭っていうと、野良猫だらけで無駄に綺麗な池があるという情報しかないのだが、ここ最近はその天使の聖地として巷で噂になっている。天使といっても、厳密には人間だし、同じクラスのマリウス葉くんなんだけど、みんなは天使と呼んでいる。

私がこの裏庭の天使と出会ったのは、美術をサボりに裏庭でぼけーっとしていた春の時節だ。火曜日の6限目は美術。絶対ここでサボるのは、授業中のシンとした裏庭が好きで、ほどよく日向ぼっこができるのも最高に心地よかったからだ。そうだなぁ、原田知世さんのくちなしの丘みたいな感じ。全てがゆったり流れていくのをじっと感じてるだけの時間なのよ。私にはそういう時間がたまに必要になるのでサボるわけ。自己管理みたいなもんよ。

「あの、」

心地よい風と共に現れたのはマリウスくんだった。"そこボクの席です"という言葉と共に、暴力にも思えるようなその現実離れした繊細な顔の造形にギョッとした。その上背が高い、顔が小さい、肌が白い。いつだったか聡ちゃんが「マリはタッパだけは立派」なんて無自覚に親父ギャグぶっこんでたのを思い出した。すごくきれい。

「すみません、隣座る?」
「あ、うん」

所在なさげにちょこんと座った天使は、サッと手をだして「マリウスです」と言った。そして、「人がいると思わなかったから、無礼いってごめんなさい」と謝ってきた。いや、聖域を荒らしてるのは私の方だけど…と思いつつ、三年間着たとは思えない癖のついてないまっさらな制服を着ているマリウスくん、なんでこんな綺麗なんだ?学校来ないから制服そんなに着ないのかな?とか、いや成長が早くて新しいのに買い換えたとか?と思いながら、ぼんやり池の鯉を見ていた。

「たぶんね、もうすぐコーラス隊の練習があるよ」
「え?」
「しらない?ボクよくここで聞くの」
「へえ」
「すっごくキレイだから、ボクすぐねちゃうんだけど」
「うん」

コーラス隊の練習がはじまって、少しすると肩にすこしのぬくもりと規則正しい寝息が聞こえてきた。うおーマジか寝ちゃったんだなぁと思って、少しベンチに深く腰をかけて、風の凪ぐ音とコーラス隊の甘美な響きで、ひっそりとした裏庭が今日はほんのちょっと楽園に似た何かに感じた。

・・・

裏庭が工事の為に立ち入り禁止区域になってから、マリウスくんを教室以外で見かけることはあまりなくなった。私も美術をサボる自分だけの口実がなくなってしまったし、冬の裏庭は凍えるほど寒いので、必然的に寄り付かなくなってしまった。火曜日が来るのがなんだか憂鬱だった。マリウスくんとそこまで話していたわけでもないし、ただの世間話とも似つかない、おぼつかない会話しかしたことがないんだけど、何だかまた話がしたいなと思ってしまっていた。

翌朝、案の定だるくて仕方なかったので、のんびりと登校。いつもは自転車なんだけど、今日はゆっくり遠回りして登校する。住宅街を歩いていると銀杏並木が見えた。綺麗だな~と思って、吸い寄せられるように木々の間へと歩いていると、後ろから誰かに呼ばれている気がして振り返った。

「あー!やっぱりHeinzelmännchen!!!」

そこには嬉しそうに私の元へ走ってくる天使の姿があった。

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あとがき
稚拙な書き物だけど、この週末はマジで震えてましたので、だいぶんこれで緩和されたんです。なんか下書きにずっといるので、サクッとうpってみました。もしちょっとでもお役に立てれば。いや~怖いもんは怖いよね。